弊社代表の中村と、CTOの松本が、自分自身の来歴と、400Fの開発体制について対談しました。
(中村)これまでのキャリアを教えて下さい
(松本)2014年新卒でクックパッドに入社し、3年ほど、クックパッドのios androidアプリを開発していました。2017年にお金のデザインに転職して、THEOのiOS、Androidアプリ開発をしていました。
400Fがお金のデザインの子会社として立ち上がる中で、自分も徐々にお金の健康診断の手伝いをするようになっていき、2021年MBO時に、お金のデザインから400Fへ転籍する形となり一昨年CTOとなり、今に至ります。
(中村)THEOのネイティブアプリ開発、実質2名でしたね
(松本)そうですね。自分のキャリアはアンドロイドが長いです。学生時代からアンドロイドの開発インターンもしていました。途中からiOSアプリ開発をしています。
(中村)いちエンジニアからCTOになるときの正直な心境は?
(松本)エンジニアによくあるネクストキャリアとして、スペシャリストかマネジメントか、が典型的かなと思っています。クックパッドにいたときに数々の凄腕エンジニアをみて、果たして自分はスペシャリストとしていけるのか、ということはよく考えていました。
クックパッドの時もマネジメントの経験もしましたが、かといって、リーダー的な立場が楽しいかという、そうでもなく(笑)。クックパッドからTHEOへ転職して、エンジニアリングに集中していましたが、それはそれで楽しかったです。
CTOになるかという決断をする瞬間がありました。「一度リーダーをちゃんと経験するべきか」ということと「CTO像がどうあるべきか」ということ考えていたと思います。自分はアプリエンジニアで、もっと広く技術的に俯瞰できるスタックを持っている方がいいのではないか?とも思っていました。一方でコミュニケーション、話をまとめたり、コミュニケーションしたり、というのは、性格的には合っているとは思っていたので、その点は思い切って決断しました。
(中村)組織はリーダーによって形作られる。400Fのエンジニア組織の凄みとして、フレームワーク化、具体的にはスクラム開発があると思う。ここは何をしているのか
(松本)なぜスクラム開発に至ったかということから説明します。実は自分がCTOに着任する前からスクラム開発で進めていました。スクラム導入前は、属人化と見積もりとか、いろんな課題があり、エンジニア同士で話し合い、スクラムを試してみるという感じで始まりました。
スクラムはなんだかんだこれで2年位やっている。ずっと続けていますね。自分はそれまでフレームワークに沿った仕事の進め方はしたことはなく、「正直面倒だな」と思いました。ただし、今思えばスクラム無しで仕事をするのは無理、くらいに思います。メリットが大きい。
スクラムはアジャイルなどという言葉と混同しがちです。厳密には「スクラムガイド」に則って開発を進めるということです。中途半端にスクラムを実践すると失敗体験になる、とも、スクラムガイドには書いてあります。ですのでまずは、厳密にスクラムガイドにちゃんと従う、ということをしようとしました。これは最初は大変でしたね。スクラムイベントは結構時間を使います。マックス2日をイベントに費やすのは正直「正気か」と思いました(笑)
スクラムは理想的には、誰でも開発に着手できるようにするものです。各人には得意不得意があるが、スクラムは開発チーム全員がどんな類の開発であっても進められるようにするものです。
スクラムなしだと、端的にはプルリクエストが出てから開発の内容を見ることになるが、スクラムは仕事着手前にどう進めるかを決めます。結局これはいつ開発方針が共有されるのかというコストを払うタイミングが変わるだけです。
スプリントは2週間、見積もりの精度も徐々に上がってくる。スプリントの成果物は基本的に全部署が集まってリリース物を確認して、次のスプリントで着手することも全社的に共有します。このような全社横断でプロダクトに関する議論ができる場は貴重で、開発チームが思ってもなかったような他のチームからの要求として出てくることもあります。
(中村)OKRも、スクラムのスケジュールに合わせている。ビジネスサイドとエンジニアサイドのコミュニケーション齟齬もない。距離が近いように感じるがどうか
(松本)見方によっては現場で勝手に進んでる、ということになるが、スクラムのフレームに沿うと、勝手に進んでたということも起こりづらいですね。
昔自分がチームリーダーを経験した時はフレームワークを持っていなく、自分自身もノウハウを持っていませんでした。自分のおかげでスクラムが洗練された、というよりも、スクラムによって、自分が些末なことに注力しなくてよくなったのが大きいです。
(中村)バックログに可視化して積むのは当然だが、デイリーMTGもスラックに蓄積されるし、ドキュメントはnotionにありますね
(松本)これも、エンジニアのアイデアです。最初は他に似たシステムを運用していて、それはあまりアクティブではなかったのでどうかと思いましたが、今は盛んに情報共有連携がなされています。かなり使いこんでます。
公開されて、社員全員が次のスプリントで何を着手するから分かるから、仁さん(代表)もツッコミができる。スクラムのMTGが多いからこそ、口頭コミュニケーションもコロナ以降もそれほど減っていない。リモートの環境にありながら、コミュニケーション量は非常に多い。
(中村)400Fに置いて、自分はどんな役割を果たしている?
(松本)自分は「俺について来い」的なリーダーではないです。なので自分の性格的には所謂サーヴァント型と思っていました。
が、最近はその中間辺りかなと思います。他部署との連携や雑用は全部自分が引き受けて、スクラムの成果を最大化するのが自分の役割の基本です。しかし、最近は論点が曖昧だったり、噛み合ってないときはズバッと入るようにします。厳しく言っているときもあるかもしれないです(笑)
基本はメンバーが開発に集中できるようにする。それが役割です。
(中村)400Fに来てもらいたいエンジニア像は?
(松本)全員、ミッション・ビジョン・バリュー、に共感してほしいと思ってます。
エンジニアという観点に絞ると、弊社はかなりよく話すチームです。なので議論をいとわない、話すことをいとわない人が望ましいです。もちろん黙々とやりたい、という人も多いと思うし、自分もかつてそうだったので気持ちはわかります。が、ここは特に弊社に合うという意味では重要かもしれないですね。新しい取り組みは常にあるし、そういうのが好きな人もあう。スピードは早いです。
自分は、人の悩みの大部分はお金のことだと思っています。お金で買えない幸せはあるが、お金で防げる不幸はある。お金の悩みとは、人生の悩みという非常に広いレンジのイシューです。お金の悩みは幅広い問題を包括的に解決に扱うドメインだと思っていて、これが魅力だと思います。